
ペルソナ中心のUIデザイン
プロトタイプを作る前に、「何を作るか」のパターンを3つ決めること。 これがこの回のゴールです。
出したアイデアの中から、良いと思うもの / 攻めたもの / ダメなもの。この3方向を選びます。
ここからいよいよ、触れる形=プロトタイプを作るフェーズに入ります。ただ、いきなり1つ作り始める人が多いんですよね。
まだ検討の段階なんです。文字だけのアイデアで良し悪しを判断するのは、正直むずかしいです。実際に触ってみたほうが確実に気づきが増えるし、良いと思ったものが微妙だったり、微妙だと思ったものが意外と良かったりします。
アイデア → 理想の体験に落とす → パターンを決める(今回) → デザイン要件 → プロトタイプ
これが一番大きいです。
A案だけ見て「なんか良さそうだけど、なんか分かんないな」となった経験、ないですか。単体で評価するのって、相当な知見と経験がないと難しいんですよね。
でもAとBを並べると、途端に違いが見えます。「Bのほうがいい」だけじゃなく、なぜBがいいのかまで言葉にできる。意思決定の基準が作りやすくなります。
ダメだと思っているアイデアも、一度形にすると「あ、こういう理由でダメなんだ」と体で分かります。
UIって、理論だけ覚えてもうまくいかないんですよね。状況によって良し悪しが変わるので。「こういう時はこういうことが起きたな」という経験則をコツコツ貯めていくしかない。パターンを作って比較するのは、その一番手っ取り早いやり方だと思っています。
現場でもそのまま効きます。
「Bがいいと思っています。AとCも検討したんですが、Cはこういうところが良い反面、こういうところが厳しくて」
こう言えるだけで説得力がぜんぜん違うし、議論もしやすくなります。1案だけ持っていくより確実に話が進みます。
出し方はこれです。今回に限らず、小さなUI改善でも使えます。
① 良いと思っているアイデア — 素直に一番よさそうなもの
② 攻めたアイデア — コストやデメリットはありそうだけど、理想的だったり尖っているもの
③ ダメなアイデア — ダメだと思っている理由を、体験して確かめるためのもの
ポイントは、方向性が違うことです。
「パターンを作って」と言うと、良いアイデアの中の細かい違いで3つ作ってしまいがちなんですよね。詰めていくフェーズならそれでいいんですが、今はそもそもの方向性を模索する段階です。振れ幅を作らないと意味がありません。
1. 3つを一言で説明したときに、全部違うことを言っているか 👉 似ていたら振れ幅が足りません
2. ②の攻めたやつに、「でもこれ、コストかかるよな」という引っかかりがあるか 👉 なければ攻められていないかもしれません
②が無難になりがちなので、そこだけ気にしてもらえたらと思います。
社内の本シェアサービスのお題で選んだものです。
① 良さそうかもなアイデア
気になるテーマのスレッドを立てて、メンバーが自由に投稿できる
前回まで具体化してきたやつですね。今のところこれが基本になるかな、と思っているものを持ってきています。
② 攻めたアイデア
プロジェクトが発足したら、必ずそのスレッドを立てる。社内の運用まで決めきったサービス
たとえば今月から銀行のプロジェクトが始まったとします。銀行の仕組みも理解しないといけないし、SaaSのモデルやUIもキャッチアップが必要。そこでプロジェクトリーダーが必ずスレッドを立てる。チームで時間をとって「どの本や記事を拾っていくか」を決めてシェアし、そこに悩みも投稿できる。
攻めているポイントは、プロジェクトチームごとという縛りがあるところです。①より運用に踏み込んでいます。
③ ダメなアイデア
普通に本のレビューを投稿できるサービス
最初のお題そのまま、というやつですね。課題を整理した結果、これはダメなんじゃないかと今は思っている。だからこそ、あえて形にして確かめます。
この3つがあれば、少なくとも「ダメなやつ」と「良さそうなやつ」の比較はできます。それだけでも見え方がかなり変わるはずです。
正直、3つ作るのは時間がかかります。「そんな余裕ないよ」というのもあると思います。
それでも、方向性の模索だけはやったほうがいいというのは伝わったかなと思います。作り込みの粒度は落としていいので、方向の違う3つを試す、という形は残してもらえたらと思います。
出したアイデアの中から、作るパターンを決めてください。
アイデアがたくさん出ていると思いますが、ここで絞りきる必要はありません。まずはこの3つをパターンとして設定して、次に進みましょう。
👉 次は 「デザイン要件を整理する」 です。選んだパターンごとに、何を作るのかを言葉で固めてからプロトタイプに入ります。