
ペルソナ中心のUIデザイン

バラバラに出した課題と配慮を、テーマごとにまとめて、原因まで書いた状態にすること。 これがこの回のゴールです。
前回、行動フローの各ステップに対して付箋をたくさん出したと思います。おそらくすごい数になっているはずなんですよね。それを、あとから見て使える形に整えます。
次のフェーズでプロトタイプやUIのアイデアを出していくんですが、その時に「何を作ればいいのか」「何が軸なのか」を見るのがこの整理したやつです。
課題と配慮は、そのままデザインの要件になります。要件が付箋の海のままだと、毎回探すことになるし、そもそも何が大事だったか分からなくなる。だからまとめておいたほうがいい、という話ですね。
利用シーン → ゴール → 行動フロー → 課題と配慮 → 整理 → 体験・UIのアイデアへ
① グルーピングする — 「ここは同じテーマだな」でざっくり括る
② テーマの中を構造化する — 課題と配慮に分け、複数あればさらに分ける
③ 原因を書く — なんでそれが起きているのかを書き足す
①②は見やすくするため、③が本番です。順番に見ていきます。
まずは大きく括ります。「この辺は同じフローの話だな」「この辺は同じ課題感だな」みたいな、なんとなく分かる部分があると思うので、そこでまるっとまとめてしまってOKです。
実際にやったものだと、3つに整理できました。
A. 配慮ベースのグループ
1on1がなくても、知見を増やせる機会があるといい
このユーザーのゴールと利用シーンを考えたときに、良さそうだよねというもの。
B. 課題ベースのグループ:インプット時に不明瞭な点が出てくる
- 本を読んでみたけど、内容の理解が曖昧
- 曖昧な部分を自分で明確にするのが難しい
- 内容読んだけどいまいち分からん
- 相談したいけど相談しづらい
成長したいメンバーが、インプットするときにぶつかるやつですね。
C. 課題ベースのグループ:曖昧なものが消化できないと、投稿につながらない
- 結局コミュニケーション量が上がらない
- 「ちゃんと投稿しなきゃ」という心理的ハードルがある
相談や感想が出せたほうがいいんだけど、じゃあどうやってそのハードルを下げようか、という部分です。
グルーピングしたら、その中身を整理します。
まず課題ベースのグループなのか、配慮ベースのグループなのかを分けます。さっきのAが配慮ベース、BとCが課題ベースですね。混ざっていると後で見づらいので、ここは分けておいたほうがいいです。
そのうえで、1つのテーマの中に複数の項目があれば、その中でさらに分けます。 Bの「不明瞭な点が出てくる」の中に、「理解が曖昧」「自分で明確にするのが難しい」「相談しづらい」が並んでいる、みたいな形ですね。
もちろん1個しかないテーマもあると思うので、その時はそのままでOKです。
大きいテーマで括る 👉 課題か配慮かで分ける 👉 中に複数あればさらに分ける
ここが一番大事で、一番難しいところです。
課題って、「〇〇ができない」「〇〇が難しい」まで書くと、そこで思考が止まりがちなんですよね。でも本当に大事なのは、なんで難しいのかのほうです。それが原因です。
たとえば「普通の本のレビューサイトだと、投稿のハードルが高い」という課題があったとします。これで止めずに、なぜかを書きます。
課題:投稿のハードルが高い
原因:
- レビューを書くとなると長文になるので、まとめるのが大変
- ちゃんと書くには全部読まないといけない、というタスクが発生する
ここまで書くと、そりゃハードル高くなるよね、と納得できますよね。
そして重要なのは、原因を解決すればその障壁も消える可能性が上がるということです。「ハードルが高い」に対しては何をしていいか分からないけど、「長文を書くのが大変」に対してなら、打ち手が思いつきます。だから原因まで書いておく意味があるんですよね。
配慮はあまり原因が書けないケースも多いんですが、書けるなら書いておくといいです。
配慮:リモートなので、先輩目線の情報が得られるといいかもしれない
原因:
- リモートワークだから
- コミュニケーション量が減っているから
- 👉 もう少し掘ると:仕事のやり取りはしているけど、直接関係ない話が減っている。だから気になったことが聞きづらくなっている
最後のところまで掘ると、だいぶ情景が見えてきます。「コミュニケーション量が減っている」だけだとまだ大きすぎるので、そこから一段具体にできると強いです。
正直に言うと、②の構造化と③の原因出しは難しいです。毎回きれいにできなくてもいいのかなと思っています。
本来であれば、インタビューをしてもユーザーは原因を喋ってくれません。「こういう心情があったんだな」というところから、何が課題そうかを突き止めていく作業なので、そもそも簡単じゃないんですよね。
なので最初は、①のグルーピングだけでも形にしてみてください。そのうえで、書けそうなものから原因を足していく。それくらいの気持ちでいいと思います。
出した課題と配慮の付箋を、この順番で整理してみてください。
整理しておくと、この先めちゃくちゃ便利です。次はこれをもとに、実際のUIアイデアやプロトタイプを出して具体化していくので、ここまでの流れを見返せる状態にしておきましょう。
これで最初のフェーズは完了です。振り返るとこうなっていました。
| やったこと | 手に入るもの |
|---|---|
| 利用シーンを決める | 誰が、いつ、なぜ使うのか |
| ゴールを考える | その人がなりたい状態 |
| 行動フローを書く | 時系列のリアルな現状 |
| 課題と配慮を出す | 壁と、後押しできること |
| 整理する | デザインの要件 |
全部、最後の「デザインの要件」にたどり着くための工程だったんですよね。ここまで来たら、次はいよいよ形にしていきます。おつかれさまでした。